新型ホーネットはどうなる?
新型ホーネットのデザインスケッチ
本田技研工業(ホンダ・モーター・ヨーロッパ・リミテッド)は先日、新型ホーネットのデザインコンセプトスケッチの公開を行った。
公開されたデザインスケッチはこれまでよく知られているネイキッドスタイルのホーネットとは打って変わりパッと見ではKTM・Dukeの様な近代的ストリートファイタースタイルだ。加えてホーネットと言えばあの四気筒サウンドをイメージする人は多いかもしれないが、昨年のEICMAで公開された動画では直列2気筒・パラツインの様な音が響いていた。
何故ネイキッドスタイルを捨てたのか
ホーネットは排気量問わず根強い人気を誇り、未だに中古車価格の高騰や在庫の確保が難しい国産ネイキッドを代表する1つである。そんなホーネットに新型が出ると噂が出た時バイク界隈では大きな話題となった。
しかし発表後の評判は決して良いとは言えなかった。もちろん好みは人それぞれだが目立った意見としては
・何故2気筒
・ネイキッドじゃないのか
の2つである。
気筒数に関してはEURO 5をはじめとした環境問題や製造コストの面が関係してるのは間違いないだろうし、近年のモデルを見ていてもそこに対する理解は及ぶ。では何故ホンダは往来のスタイルであるネイキッドスタイルを捨てストリートファイタースタイルにシフトしたのか。そこにはきっと何か理由があるに違いない。
公開されたデザインスケッチを担当したのは若手のデザイナー、Giovanni Dovis氏である。彼はこのデザインスケッチ基新型ホーネットについては以下のように話している。
この発言から読み取るに、単純に時代が変わったということでもあるのだろう。そもそも我々の想像する往来のネイキッドスタイルというものは既に貴重なものとなっており現在日本でストリートファイターと呼ばれているジャンルのものは海外ではジャンル:ネイキッドとして続投されている(Ducati Super Naked V4 = street fighter V4などの表記がいい例)。
つまり新型ホーネットは、デザインスケッチ・Giovanni Dovis氏の発言にある通り、スポーツ性能に寄りつつも親しみやすく乗りやすい、かつホーネットの名の通りスズメバチの様に攻撃的なスタイリングになることが予想される。
ライダーが求めていた新型ホーネットとはどういうものなのか
そもそもホーネットとはどういう位置付けなのか
ホーネットというバイクはその見た目やモデルコードが CB+排気量+F であったりとれっきとしたCBシリーズのバイクである。CBシリーズといえばCB750F、残念ながら今年生産終了が告知されたCB400SFなど名車揃いのホンダを代表するラインだ。
無論ホーネットというバイクも名車であり記事冒頭で触れた様に生産終了から10数年経つが未だに高い人気を誇っている。
また、今現在では味わえないキャブレター車特有の走り、手はかかるがメンテナンスなどの楽しさが魅力の1つであるのは言うまでもないだろう。
加えて現在のラインナップも踏まえると、クラシカルな見た目でかつ普通自動二輪免許で乗れる貴重な4気筒の代表と言っても過言ではないかもしれないのがこれまでのホーネットだ。
これまでとこれから
ここまで述べた通りに恐らく多くのライダーはホーネットという言葉を聞いた時、4気筒のクラシカルなネイキッドスタイルのバイクを思い浮かべることだろう。
常に需要が絶えず、中古車価格は高騰し続ける中でのCB400SF/SBの生産終了、2年前にはkawasaki ZX-25Rの登場であったりと新型ホーネットが噂された時、ネイキッドファン・ホンダファンが過度な期待を寄せてしまう気持ちは痛いほどわかるし今こうして執筆していても共感しかない。
だがこうして満を辞して発表されたデザインスケッチはその期待とはほど遠いものであり、全くの別物であるとの声すら上がることとなった。正直ホーネットという名車はそう簡単にリメイクしたり新型を出すとは言えないものであると個人的には考えていたので発表当時はその全てに驚いたものだ。
だがこうした期待があるのはホンダ側も分かりきっていたことだと思うし、発表するに至ったということはそれを覆す自信があったと考えることもできる。
これまでのホーネット同等の楽しさを引き継ぐことは時代背景等により叶わないが、新型ホーネットはこれまでとは異なりつつも同質の、方向性は違えどホーネットの名前を背負い沢山のライダーが楽しめる車体となって欲しい。
きっと次の世代から名車と称えられることを祈る。
何はともあれまだまだデザインスケッチ段階であるので続報に期待したい。